2023.08.07-08.13|雑記帳

08.07(月)

・自分ひとりの部屋がなければ、確かに文章は書けないね。

・俗を愛して笑いにもする。俳句や落語。俗物が嫌いなのにユーモアは好きだったが、俗なものをなめているのかもしれない。人間をなめている。俵万智さんが言うように。俗を捉え直してみると、ユーモアを持って人間の言ってしまえば、浅ましさも愛せる可能性があるな。

・対話には、探究にはお互いが拗ねないことが必要な気がする。わからなさを認めること、ミスを責めないこと。

・想像は大事だが、もしこうだったらよりも、普遍性からゆっくり紐解いていくのが腑に落ちる。

・素直さと理性か。理性は意外と大切で、考える余地があるのかもしれないな。

・自分の言葉を待つこと。言葉を尽くすこと。

・素直に謝ったり、心配したりするのは、その人の良さか。それが怖さからだったとしても、責めようとするのは、人の悲劇的な部分を見過ぎなんじゃないか。喜劇だってあるのに。

・「私は石川さんと同じ金づるだと思われている」という会話。

・触れるってケアだから、したいことなのかもな。

・やはり対話をじっくりする、言葉を待つことができる人は少ない。ほんとにいない。そのぐらい難しいことなんだ。

・男女共に、こうあらねばとなるのは苦しい。そういうフェミニズムならば大歓迎だ。

・性格だって変わるかもしれない。変わらないと思うことから生が止まる。

・好意があるってなんなんだろうね。あの匂い立つような感覚。明らかに友達としての好ましさと違う。だからこそ、自分も当然のようにそれを成就して、返そうとしてきた。でも今、新しい感覚を掴んでいる。

08.08(火)

・ツッコミのときに、正面を向いてフレーズを言ってくれる漫才師すき。

・雨に濡れて見るのは我が道ばかり。

・「俳句は短いから良い。短いからこそ、大きな世界が詠めるような気がする(神沢利子)」短く制約があるからこそ、淡々と情景を写せるのか。

・根なし草であることへの罪悪感と、距離を近付けることへのひやっとするような怖さ。

・「でもまず愛するということ自体が恐怖に打ち克つ行為だろ、たぶん(違国日記)」確かに愛することは怖さも関わっている。だけども、克つというより、抱くって感じだ。

・螺旋が崩れ、心が柔らかいときは落ち込みやすい。ただ、柔らかくなっているからこそ、生まれてくる動きはきっと大切なものになる。これは実体験であり、確信であり、何よりもどんな状況でも自身が楽しみにできる希望なのだ。

・やはりいじけたり、注目を集めたりするよりも、自身をじっと待つような人が好きだ。若林さんが好きな理由でもある。

・違国日記、完結してしまった。ここまで微細な感覚を描かれると、流石に嬉しくて泣ける。ベッドの上で泣ける漫画でよかった。

・違国日記は綺麗さだけではなく、いい意味で傷付けられる。つまりはどうしようもなく苦しさを問われるところがあって、そこを含めて、丸ごと美しい物語だと思う。

・「…与えたのと同じものが返ってこなくていいとか、少し離れてその人に関わっていたいとか、衛星ってのはそんな感じだ(違国日記)」ここまで愛の形を表現した言葉があるだろうか。それは一つではないのだが、普遍性に頼らずに言葉を紡ぎ出していく人は、美そのものである。

08.09(水)

・「作ってみたけど、当時はどうなるかわかってなかったです」という作り手、信頼できる。作っているときなんて、わからないもんだ。

・「私はこうだ」という枠を知りながらも、そこに当てはめることで、独自性が失われることに敏感である人が好きだ。

・確かに素直さへの過剰さはある。だけども、やはり俺はそういった人たちがどうしようもなく好きで、そういう螺旋の形をしていたのだと思う。じゃあそれでいいわけではなく、今後も捉え直すんだけれども、些細な美しさを見落としたくはないと思う。

・若いな、人それぞれなど、そういう言葉で簡単にまとめたくない。言葉を尽くしたいと思う。

・誰のためでもない創作物。「これは私に必要だった」と思う人がいたら、その人のためになる。そういった捉え方がいい。

・余地、遊び。ほんとにそうだな。まだ残されている部分があると思うと、いつだって変わっていける。

・「どうせこうだ」と決めつけないのって、意外と難しいものでもなくて、わりと清々しくて気持ちがいいかも。

・こうであってほしいという祈りは、そうであらなかったときを否定するようではありたくないと同時に思ってしまう。

・幸せでいてほしい。だけども、ときどき不幸せでいたっていい。そう願ってしまうのは愛しているからだけでも、その言葉で尽くせない気持ちがある。

・ただそこにあってほしい。それだけだ。

・こうでもない。ああでもない。それでも。それでも共存していく美しさにただ気付きたいのだ。

・「わかりあえなさの真ん中をどうにか見つけて、一緒に生きていくことができるんじゃないか(ヤマシタトモコ)」この言葉は取っておきたい。取っておきたいね。

08.10(木)

・日向坂、ひむかいざかと読む意外性。

・空気を食べているかのようなイカ人参。

・確かに気を使うのしんどいから使われたくない。接しやすいのがいい。話したいというより、言葉や現象について深めたいんだろうな。言葉遊びもしたいし。

・属性を強調するのではなく、そうだよねいるよねぐらいの気持ちでいたいものだ。属性を強調すると、イメージの中に個人を押し込め、ユニークな個人を忘れてしまうことになり得るから。

・属性の強調もあるが、今までそこからこぼれていた人たちの権利を、当然他のみんなと同じように権利を持っている「前提を確認している」という視点は忘れていたかも。過剰に権利を付与するわけではない。前提を問いたいのか。

・伝えるではなく、語ること。ここにいることを語ること。言葉を尽くすことは美しくもあり、とてつもない嬉しいことなんだ。意思表示。語ること。抑圧される苦しさ。

・語りが増えていくほど、語る側も聞く側も増えていく。いい循環は生まれるのではないか。

・すぐに判断したくなる。好ましくない素直さを回避した語りは排除したくなる。叫びのような感情は見るに耐えない。だけども、多少はその気持ちを横に置いて、その人にあった事実を見ることはできないだろうか。そこに至るまでを尊いと思えないだろうか。その上で自分のそういった意思表示も同時に語り、両者をなかったことにしない。時間は掛かるがではあるが、人は待つものであり、螺旋を回るおもしろさもあるはずだ。

・みーんみんみんみんみんの重奏笑っちゃう。

・初めて自分が絵を描く想像をした。人が机に突っ伏して髪の毛が広がっている写実的な絵。なんだろうこれは。

・台風を巻き上げるように寝ていいよ。

・夏の夜寝付けぬ時間が愛おしい。

・4時起き昔ながらのミーンミンミン。

08.11(金)

・地震があってどきりとするも日常。

・津波で家が流されたことは、元の家もわからないということ。近所すらわからないということ。それは想像つかないことだった。

・そのとまどいか。わからなさ。家がないこと。想像もできないこと。それはわかりやすい悲しさではなく、どうしようもない戸惑いなんだろう。言葉にできないもの。

・海の近くでビールのさきいかでゆっくりする時間がある人生なら、いい文章が書けそう。でも、いつだって、いい文章は書けたりするんだよね。

・なかったことにしたくない。そして、ずっと原体験として、抑圧されたくなかった。そこを守るのは俺の役割なんじゃないのか。

・日中誰もいなくて、沈黙の部屋がこの世には無数にあるんだろうな。

・探求、螺旋、それは言葉を尽くすこと。

・思ったことに照れがない、そしてそれが存在できる環境にいるのは、ほんとに嬉しくて、ありがたいことだな。ずっとリミッターを設けていたのかもしれない。抑圧はされたくない。せめて自分は自分にそう課したくない。自分の感受性ぐらい自分で守るのだ。

・色んな人が当たり前にいることを楽しく描いていく。そういう活動。楽しくって大事なんだよな。

・目を閉じているのかすらわからないほどの暗闇で寝るのが好きだ。

08.12(土)

・生きてる時代だからこそ、沈黙する。歴史上はある意味で、遠いから感じるものがある。

・視点が違うだけか。全てを経験して感じることはできない。たぶん、俺は旋回していくところから考えたい。そこに罪悪感はない。だから変に思わないと、罪悪感がとか思わなくていいのかもな。

・感情移入しすぎないようにスイッチを切ってる感があったりする。精神科医のように。

・やはり、むきだしの語りはきつい。感情をそのまま出すような。それは生がつまらないものに思えてしまう。俳句のように、淡々と語ることの中から、滲み出るものを受け取りたい。

・きっと余地がある文章が好きだ。こちらに余地がある。感情が詰まっていると、それを受け取ることに戸惑う。

・不条理さは何かをなくすことだけなのだろうか。モヤモヤする。でも個人やもしもの自分は重いものなんだろう。拒否反応に近い。

・触れられるということは、相手は嫌だっていないだろうという確信があるからだ。

・愛するからこそ、自身を抑制するようになるのは、愛なのか。両者への信頼が欠けてないか。自分がしたことで相手がどう思うのかばかりを見ているようだ。

・思いがけずの対話。生まれてしまうものなんだな。

08.13(日)

・「『むきだしの気持ち』を秘めたままに、『真実』を書いていたのである(10年目の手記)」まさに、むきだしを秘めておく美しさに惹かれてしまう。

・映像や音の嫌なところは、余計な音楽や追加するところだ。

・たぶん、こっちが思うことはこっちが決める。余地をこっちにくれよと思う。入ってくるなよという感じ。

・シートベルトは全席着用義務があるらしいよ。

・笑い話にできるってすごい。度量があるよなぁ。

・気仙沼旅は「それにしても」という言葉で表したい。

・漠然としたやるせなさは急に襲ってくる。だけども生は輝いているはずで。何度だってそこを思い出す。

・生活をしにスペインへ行く。それはある意味で、今もしている。今だってやりたいことをやっている。

・この想いをどこかに置きたいよ。そのための世界だ。

・変化の時かもな。家族のこと、そして傷を見せる人、素直じゃない人、対話にならない会話、複数人、寝ること。今ある説にメスを入れて、「ほんとにそうなのか?」と問うときが来たような。

・受け取ったなぁ。受けたものをまた別のところに流していく。そういった循環はほんとにいいものだと思う。

・どろりした不安はあるが、確かに受け取っているものがある。それに気付くとまたまだ捨てたもんじゃないと思える。

・人は目まぐるしく変わるよな。だって俺だってそうじゃない。人間をなめるなよ。評価したって、すぐに変わってしまうことだ。

・誰かから受け取った好意を汲み取っているからこそ、体力があるんだろうか。その無限に湧いてくるものをエネルギーとして動いている。

・体力ない問題は、意外とこういうところかもな。違和感も旋回するエネルギーになるが、世界から受け取ったものもまた、人を動かすものとなる。そして人以外にも、自然や世界というものから受け取るものもある。