2024.04.29-05.05|雑記帳

04.29(月)

・数年振りにダイビングをしてきた。あれほど情熱を持ち、写真を撮り、経験値も重ねたはずのダイビングだったが、前日から緊張して、過呼吸ほどではないにしても、吸っても吸っても息が吸えないような感覚になるほどの状態だった。1本目はエアーをかなり早めに消費して、マスクに入る水への対処も難関になるほどで、周りを見るどころではなかった。頭では「とにかく息をゆっくり吐くこと」と意識しても、身体は焦り、空気を欲しようとする。ボートエントリーだったら、パニックになってしまっただろうな。だが、2本目はリラックスできて、息を長く吐けた。呼吸でバランスを取り、周りを見て魚群を発見したり、仰向けで泳いで一回転してみたり、どん底の状態からリハビリできた感じがあった。ボートじゃなくて、ビーチエントリーだし、特に目ぼしい生き物もいなくて、お世辞にも良いポイントだったとは言えない。改めてダイビングをしてみると、その身体性との関係性を神格化しすぎていたとも思った。おそらく、もう数年前の情熱で潜れることはないのだろう。だけども、ほんとに今回潜ってみて良かった。失ったものを弔い、そこに現れた道を歩いていこうと思えた。やっぱり、水中で呼吸ができる面白さはある。今後もウェットの時期に、年に数回は潜れるようにしていきたい。

・思えば、伊豆の海は透明度は劣るけど、海の生物や地形の面白さは、ほんとに世界トップクラスなんだろうな。そこで慣れてしまうと、他に刺激がなくなるのも頷ける。

・水中も道を作ることだよな。水中を歩く、泳ぐ。

・バルサ対バレンシア戦をライブで観る。リーグ優勝はほぼなくなり、CLは敗退して、今シーズン最も少ない観客数だったのに、こんなに盛り上がってるスタジアムは久しぶりなんじゃないか。ライブでも聞こえるぐらいの歓声が続き、とにかく雰囲気が良くて、温かさを感じる。レヴァンドフスキがフリーキック決めてるの初めて観た。

04.30(火)

・今日は快晴だ。気分が良い。こうして高台の海が見える家に住むと、川のある街派だったけど、海のある街も悪くないのかなと思う。街が終わる境界線が見えることは、自身の拡張性を無限に過信せず、今できることを再確認できる作用があるのかもしれない。

・車から知り合いを見つけて、クラクションを鳴らして、手を振って通り過ぎる人。バスの運転手も同じことをしていた。今日の陽気な運転手は、そこそこ混んでいる車内で、最前列の人と何か話し込み、結構盛り上がっていた。オレンジかイエローの制服を来た、セキュリティや清掃員の人が電車やバスに乗っている。タバコを吹かす渋い顔の人は、ベンチに座る際に少しずれた自分を見て、ありがとうと素直に言った。こういった日々の人々を観察した、ただの記録を集めてみると、何か写真と組み合わせて作品にできるかもしれないな。

・良い図書館がある街に住んでみようかな。

・聴き直したいと思えるラジオってすごいよな。更新される度に聴くラジオは多いが、その中でもどうしてもまた聴きたいとなる番組は一握りだ。

・朝型が良いと思う理由は、朝の空気や匂い、そして光が最高だからだよな。起きれるようになりたい。

05.01(水)

・バスを待っていて、別の路線のバスが来てスルーしたが、Googleマップのリアルタイムでバスの位置がわかる印を見ると、どうやらそのバスが乗るバスだったらしい。調べたけど、どう考えても、そのバスでは行きたい場所へ行かないはずだった。どうなっているんだ。とりあえず、止めて聞けばよかったかな。こういう謎がスペインではよくあるよね。

・スペインの街中の道は汚かったりするから、街中より少し離れた場所に滞在する方が、多少は綺麗で人も少ないからその方がいいよね。

・カナリア諸島はヨーロッパに住んでいたら、遊びに来るのにはちょうど良いかもな。日本から行くんだったら、アジアのリゾートで良い気がする。自分は好きだったけどね。

05.02(木)

・差別と批評の違いを考える。あらゆるものが差別だと、自らを封じたり、誰かを縛り付けたりするのは、果たして他者のためだろうか。静かに批評をして考えていく道もあるんじゃないか。

・テネリフェの中心地を歩いて観察してみる。ラ・ラグーナは旧市街で歴史的な街並みで、大学もあり人も多い。サンタ・クルス・デ・テネリフェは繁華街的な中心街で、海沿いで後ろに山が控えるダイナミックな自然もある。

・トップレスになれる人にその気持ちを聞いてみると、まずヌーディストビーチに行けば、誰もジロジロ見てこないから恥ずかしくないと。そして、なぜ裸になりたいかというと、太陽の温かさや自然との一体感、日常から解放されて、脱いだ方が真にリラックスできるそうだ。他者の目線ではなく、自身がよりリラックスできる形にフォーカスした結果、トップレスになるということか。とはいえ、もちろん、脱いでいる人が少なくて見られるような環境だと嫌だけど、それは恥ずかしいというより、他者にジャッジされたくないということなんだろうな。

・スペイン語話者なのに、メッセージでわざわざ日本語に翻訳してから送ってくれるの嬉しかったな。

05.03(金)

・最後までテイデ山には雲がかかっていたが、出発日の夜明けにバスで空港に向かう途中、後ろを振り返ると、綺麗なテイデ山のシルエットが見られた。自然ってこういうところあるよなぁ。

・人間が乗り物に乗って移動するとき、人類学を学ぶものとして、苦境に立たされる。人混みは疲れるし、人の嫌なところばかり出てくる。ほんとに僧侶みたいな心を求めたくなるよな。

・歩行、動かないことを考えてみると、定住を色んな角度から眺められるかもしれない。

・サンティアゴ・デ・コンポステーラは大雨だ。巡礼者がカッパ着て歩いてる。こんな感じでみんな歩いてるんだなぁ。

・マユリカ中谷の夢日記(うなげろりん#105)がおもしろすぎた。すっごいいじられてるけど、なんだかんだ作る人なんだなぁ。

・観察も、読むことと捉えられる。風景を読む。人を読む。読書だ。

05.04(土)

・スペインの住宅にあったりする、サンルーム。1部屋だけ日が当たりやすいような設計になっている部屋があったりする。日を浴びることの大切さを知っているんだろうな。

・たっぷりと話したけど、聞き出したかったことは何一つわからなかった。コミュニケーションって不思議だ。

・スペインだと、北部の方が好きかもしれない。まず、森がある。カラッとしたリゾートや砂漠のような環境より、芳醇な森があるところが合ってるっぽい。

・ゆるいペスカタリアン生活は続行中だが、久しぶりに生ハムを食べてみる。そんなに悪くないものを買ったつもりだけど、なんか油がきついなと思ってしまった。魚と野菜のさっぱりしたものが食べたい。胃が弱っているだけなのかな。

・オンライン英会話の講師から思いがけず、哲学のストア派の話をされてテンションが上がった。こういう対話がしたかった。ストア派はなんかマッチョイズムなイメージだったけど、確かに苦難にどう対応するのかを考察するには、引いてみたい補助線が見つかるかもしれないな。

05.05(日)

・ラ・コルーニャの街を案内してもらう。たった数日だからわからないが、直感で気に入ったというか、この街が好きかもしれないと思った。慎重に観察はしていきたいけど。自然というか、周辺の森に対して、”森の雰囲気が良い”という初めての感情を抱く。緑の感じが、今まで過ごしたスペインの都市と何か違うような。中心地も他の都市より汚くない。Avenida Marinaの白い建物(ガレリア)に始まり、他の場所も白い建物が多かったり、街としての構造がおもしろい。海沿いにウォーキングコースが整えられていて、たくさんの老若男女が歩いて、それぞれの時間をゆったり過ごしている。居心地良いな。

・元気すぎる人って、どこかで”元気じゃないことがいけないこと”だと思い込んでいる節があるように思う。ただ、たとえ、空元気だとしても、元気な方が結果的に幸せだったりするんだろうか。

・ストレス軽減のために、安心できる人と喋るの大事だけど、喋るほど何かが溢れるのも確かで。ストア派じゃないけど、ふつふつとした活力をみなぎらせるために、何かをしないという選択も時にはいいのかもしれないな。